食品加工における温度管理の重要性

これから夏場に入り、例年食中毒事故が多発してきます。実際に厚生労働省の統計データを見ても、6月から8月にかけて食中毒の発生件数および患者数共に増加傾向にあります。これは、多くの食中毒を引き起こす食中毒菌は、高温多湿の条件を好み、増殖しやすくなります。例えば、サルモネラ属菌などでは40℃前後で最も増殖しやすくなります。

さて、場合によっては人を死に至らしめる食中毒を防ぐためにはどうしたらよいでしょうか。食中毒予防のための3原則というものがあり、これは細菌をつけない・増やさない・殺すというものです。つけないは、手洗いや調理器具の洗浄で最近をうけないことを意味します。増やさないは、温度を低温にすることで食中毒菌の増殖を抑えることを言います。

多くの細菌は4℃以下では増殖しづらくなり、そのための管理手法として温度管理が挙げられます。温度管理を行うには、冷蔵庫などが規定の温度以下になっているか、一日のうち数回温度を確認することです。そして、温度に異常があった場合は速やかに対応を行うことで細菌の増殖を阻止し食中毒発生を防ぐのです。また、殺すに関しては、多くの食中毒菌は中心温度が75℃以上1分以上に加熱で死滅します。

そのため、加熱後の食品の中心部を温度計で測定し、規定の温度以上に達していているかを確認します。これら温度管理により食中毒の発生リスクを抑えることができるので、その重要性を必ず理解する必要があるのです。