企業経営者が扱っている食品の安全性を高めたいのであれば、温度管理に関する基本的な知識を把握しなければなりません。温度管理は一部の工程だけ行えばよいのではなく、製品が出荷されるまでの全工程で適切に行われる必要があります。仮に一部の工程だけに温度計などを導入して集中的な温度管理を行ったとしても、他の工程に問題があり食中毒が発生すれば企業にとって大きな損失となってしまいます。たんに訴訟で損害賠償を請求されるだけでなく、長年にわたり築き上げてきた消費者の信頼を失うことになるので注意が必要です。

温度管理は高性能な温度計などを使用して全ての工程で行うのは基本であり、食品の安全性を向上さるにはさらなる対策が必要になります。食中毒の主な原因である細菌やウイルスは熱に弱いので、適切な温度管理を行っていれば繁殖を防げます。しかし一旦加熱処理を施したとしてもその後に混入したのでは意味がありません。食品に混入して健康被害をもたらすものには、他にも化学物質や機械・道具の破片など様々なものがあります。

温度を適切に管理しつつ、さらに個別の危害要因への対策を講じれば食品の安全を守ることができます。多くの企業経営者には効率性を求めるあまり安全性を軽視する傾向が見られます。安定した事業運営のためには、まず効率性よりも安全性を重視する必要があります。確かに安全性を求めるには手間やコストがかかるかもしれませんが、適切な対策を講じれば様々なトラブルを回避できます。

製品の安全性が向上すれば消費者の信頼を得ることができ、結果として企業経営にプラスとなります。