2021年現在、日本全国には約5100件の畜産農家が存在しています。1980年代はこの数字の4倍の数で存在をしており、東京や大阪、名古屋といった都心部でも豚や牛を飼育している牧場が数多くあったものです。ところが、各地で宅地開発が相次いで進んだことを受けて、いまでは信州や北海道・鹿児島県などでしか養豚・和牛の育成はなされなくなりました。日本では特に畜産業は斜陽傾向となっており、政府や農林水産省では人の手だけでなく、IoT技術を活用したデジタル管理へとシフトチェンジをするように支援をなされています。
ここでは簡単に、畜産現場で徹底される事項の概要について見ていくことにしましょう。それは温度管理であり、24時間態勢で状況を把握することが責任者の務めとなっています。豚や牛の生育は外気温がカギを握っており、しっかりと健康を維持できる温度管理をしなくてはいけません。以前は人の目で温度計を見て温度管理をなされていましたが、この方法では多くの人材を必要とします。
そこで政府と農林水産省では、IoT技術を活かしたデジタル温度計を投入した管理方法を考案されるに至りました。実際に北海道の十勝地方の牧場で試験導入をされ、確かな成果をあげています。養豚舎や牛舎に温度計センサーを組み込み、赤外線による水蒸気の計測をおこなって、メインコンピューターで可視化をされるのがポイントです。これにより少ない人数のスタッフで管理がおこなえます。