温度管理の鍵を握るのは

温度管理は断熱性と気密性の高い部屋、あるいは容器といったものが大前提で、外気温や周辺の熱源などの影響を受けないようにすることが不可欠です。オープンな環境での温度管理は、クローズドな環境と比べて格段に難易度が上がりますし、コストも増大することを念頭に置いておくべきです。クローズドな環境での温度管理は比較的容易で、管理の対象が発熱するものでなければ、環境の温度を監視したり調整するだけで済みます。発熱体を一定の温度の環境で管理するとなると、より高精度でリアルタイム性の高いセンサーを用いたり、高性能な空調設備をセットで使用することが必要になります。

一方、環境を一定に保つだけならそこまで高精度なセンサーや空調は必要ないので、一般家庭でも挑戦することができます。食品や医薬品のように、健康や生命に関わるものについては厳格な温度管理が欠かせませんが、常温保存ができる食品や市販薬であればそれほど難しくないはずです。注意が必要だとしたら、誤差の大きさや狂いに問題がある市販の温度計を使用したり、温度管理の環境が適切ではないケースです。適切でない環境とはドアなどの開閉が多かったり、空気の入れ替えが大小に関係なく発生することを意味します。

つまり、閉じている間はそれなりに気密性が保たれる環境でも、開閉によって外気が流入しやすく、大きく空気が入れ替わるようであればNGというわけです。例えば冷蔵庫は開閉の度に庫内の温度が上がり、閉じても音を立てて元の温度に戻そうとしますが、直ぐには戻らないので少なからず保管しているものの質に影響するので注意です。