くさや作りのカギは湿度計センサー

日本では古くから、伝統的な食文化を大切にしている国です。いまでも縄文時代から食べられているコメを主食にしており、正月には宮中料理であったおせちをどなたでも堪能をされていることでしょう。食べる意味を正確に知らない方であっても、親から祖父母によって伝えられて現在に至ります。各地でもその土地でしか食べられていないものがありますが、関東で有名なものがくさやです。

八丈島のみという限定された地域の食べ物ですが、約900年以上もの歴史を持っており、徳川家康もこよなく愛していたといわれます。アジを三枚におろして専用のつけ汁に漬け込んでつくりますが、美味しさを左右するのが湿度です。小笠原諸島の気候である一帯で、年間を通して約90パーセントの湿度を有しているのがポイント。以前は職人が自分の勘を頼りにしていましたが、現代では湿度計センサーを導入してしっかりと管理をしています。

どこの工房でも1つ以上は湿度計センサーを導入しており、工場内の数値を90パーセントに維持をしています。昨今はエアコンを導入して作業をするため、湿度を一定に保てない環境下となりました。湿度計センサーを導入することで数値化をすることができ、適正範囲内でくさやを作り続けることが可能です。発酵を促すためには気温も40度以上にするため、作業場は亜熱帯と全く同じ環境になっているのもポイントです。

大変な工程を経て誕生する食品で、とても貴重な品となります。